大分県から宮崎県に広がる東九州地域には、日本を代表する血液や血管に関する医療機器を製造する企業が多数立地しており、両県を合わせた医療機器生産額は約1,378億円と全国有数の集積地域となっております。特に旭化成クラレメディカル(株)のアフェレシス製品は世界シェア1位、人工腎臓は世界シェア4位、国内シェア1位で、東郷メディキット(株)の血管用カテーテルは国内シェア1位の実績を誇ります。
このような集積の特長を生かし、医療産業の拠点として地域活性化を目指す「東九州地域医療産業拠点構想(東九州メディカルバレー構想)」を平成22年10月策定し平成23年12月22日に国の総合特区指定されました。
構想では、「研究開発」、「医療技術人材育成」、「血液・血管に関する医療拠点」、「医療機器産業」の4つの拠点づくりに取り組むこととしており、血液や血管に関する医療を中心に、産学官が連携を深め、医療機器産業の一層の集積と地域活性化、医療の分野でアジアに貢献する地域を目指します。
取材日:2010年9月27日
同産業の集積は企業連携を可能にし付加価値創造に役立つ延岡にはもともと旭化成の繊維工場があったこともあり、そのインフラを活用して人工腎臓に利用する合成ポリマーでの中空糸生産を行う工場を設立しました。 延岡市は旭化成が誕生した街、就職希望者には親や祖父が旭化成で働いていたという人達も多いです。そのため3交替制の仕事について理解している方も多く、システムを納得した上で入ってくれるため、労働力が集めやすいのは有難いですね。またものづくりをする会社としては、水がきれいな地域というのもメリットの一つと言えます。 最近、東九州メディカルバレー構想が提案されていますが、当社ではすでに大分県の川澄化学工業と連携して製品のやりとりを行っており、医療関連の製品を作っている企業間で協力関係ができるのは大きなメリットだと感じています。 医療関連製品では、品質に対する信頼が必要です。今後、東九州自動車道も開通すれば交通も便利になります。距離の近いところで企業同士が集積することで、人や技術のコミュニケーションが取りやすくなり、お互いの製品の仕様などを調節することで、より信頼性の高い付加価値のある製品を作ることができます。そういう意味で、東九州地域医療産業拠点構想には大きな期待が持てます。 宮崎県は、協調性があり仕事への努力を惜しまない優れた労働力と豊かな自然があり、県のバックアップもあります。医療産業が集積している地域性などを活かせば、発展の可能性が大いにある土地と言えるのではないでしょうか。 |
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