2022.03.11
お知らせ

スマートウェアを使って「ひなたワーク」の実施効果を調査しました

2021年12月から1月に県内4地区で実施したトライアルツアーにおいて、スマートウェア「hamon」を使ってワーケーション効果を分析しました。
hamonは IoTウェアラブルデバイスで心拍などの生体データを収集できる仕組みで、宮崎でのワーケーションの実施前・実施中・実施後のストレス値を調査しました。

実施概要 <概要>
・計測実施期間 2021年11月30日(火)~1月21日(金)※土日祭日除く平日(ツアー中の土曜日は含む)
・モニターツアー
県北(高千穂町・日向市) 2021年12月1日(水)~4日(土)
県南(日南市・串間市) 2021年12月8日(水)~11日(土)
県央(宮崎市・都農町) 2021年12月13日(月)~16日(木)
県西(都城市・小林市・えびの市) 2022年1月12日(木)~15日(土)
・実施人数(デバイスを配布した人数)
県北(高千穂町・日向市) 3名
県南(日南市・串間市) 3名
県央(宮崎市・都農町) 3名
県西(都城市・小林市・えびの市) 6名
計15名
・利用旅行会社 株式会社JTB
・実施場所 宮崎県
<評価方法>
・hamon®にてストレスデータを取得します。
・ストレス値は5~95の指数で出力されます。
hamon®ついて hamon®は、スマートウェア等に搭載するセンシングデバイス開発をはじめ、トランスミッター、アプリ・クラウドまでワンストップでソリューション提供する生体情報マネジメントプラットフォームです。
銀メッキ導電性繊維を素材にしたIoTウェアラブルデバイスから、着用者の心拍などの生体データを収集します。
収集したデータを健康管理、従業員見守り、介護・福祉などの分野で活用します。
期間別ストレス値 実施前、実施中、実施後のストレス値(4回分合計)
実施前 実施中 実施後
平均Stress 50.76 43.49 44.64
平均 最大幅 Stress 93.64 88.81 88.27
平均 最小幅 Stress 13.59 14.41 18.92
最大値と最小値の差 80.05 74.40 66.35
※「平均 最大値 Stress」「平均 最小値 Stress」=各自の日毎の最大値、最小値を算出し、期間内で平均化した数値となります。
※県北については、実施前のデータを正確に取得できていませんので、3名のデータが取得出来ている12月7日分を日常的なストレス平均として代用しております。
県北 実施前 実施中 実施後
平均 Stress 55.23 44.02 49.85
平均 最大値 Stress 95.00 90.20 92.27
平均 最小値 Stress 5.67 7.50 9.91
最大値と最小値の差 89.33 82.70 82.36
県南 実施前 実施中 実施後
平均 Stress 57.03 42.67 46.38
平均 最大値 Stress 95.00 95.00 83.92
平均 最小値 Stress 8.20 14.00 23.50
最大値と最小値の差 86.80 81.00 60.42
県央 実施前 実施中 実施後
平均 Stress 45.00 43.39 43.58
平均 最大値 Stress 95.00 95.00 88.86
平均 最小値 Stress 15.25 19.00 18.00
最大値と最小値の差 79.75 76.00 70.86
県西 実施前 実施中 実施後
平均 Stress 47.75 43.87 39.26
平均 最大値 Stress 91.75 80.95 79.50
平均 最小値 Stress 19.42 16.70 22.10
最大値と最小値の差 72.33 64.25 57.40
<4回分合計値>
◆ツアー中の平均値が実施前よりも減少しており、ワーケーション中にストレスが減少したことが伺えます。実施後の平均値も実施前より下がっており、ワーケーションを通しての継続した効果もみられます。
◆最大値(高ストレス値)も実施前より減少しており、高負荷のストレスが少なかった様子です。一方で、最小値(低ストレス値)は増加しており、心拍が活性傾向にあったことが伺え、ツアー中の様々なコンテンツによる良い影響かと考えます。
<ツアー毎の数値>
◆全てのツアーにおいて、実施中のストレス平均値が実施前よりも下がっており、実施中にストレスが減少したことが伺えます。
◆県北、県西では、実施中の最大ストレス値が減少しており、ツアー中は高負荷のストレスが改善された様子です。
◆全てのツアーにおいて、最大値(高ストレス値)と最小値(低ストレス値)の差異が実施前よりも減少しており、ばらつきが改善されていることから、精神的に安定傾向にあります。
◆県南と県央においては最大値が減少していませんが、最大値はワーク中に集中しており、業務関連でストレス値を高めたようです。
◆県西以外は最小値が増加しており、心拍が活性化された様子が伺えます。コンテンツ参加による良い影響かと考えます。
県西はツアー中の最小値が減少していますが、早朝や夜遅くに集中しており、眠気などによる影響があった可能性があります。
平均ストレス値の改善状況を比較
  • 最大・最小・平均ストレスの推移(県北) ツアー初日の最大値が減少しており、最小値は増加しています。この日は、大きなストレスがなく、且つ、リラックスしすぎることもなく、安定した1日だったことが伺えます。ツアー中は、平均値の上下が少なく、同じような数字を継続しており安定しています。
  • 最大・最小・平均ストレスの推移(県南) 高いストレスを持つことが多い群となっています。最小値は他ツアーより高い箇所が多く、全体的に心拍が活性化しているため、“忙しい“群かもしれません。そんな中でも、ツアー中は平均値を下げており、普段よりはリラックスしたようです。
  • 最大・最小・平均ストレスの推移(県央) ツアー中は、ワーク中にストレス値を高めており、アクティビティの合間での業務で慌ただしくなりストレスを高めたかもしれません。16日に平均値、最小値が高くなっており、最終日の忙しい1日だった様子が伺えます。
  • 最大・最小・平均ストレスの推移(東西) ツアー初日に平均値を上げており、移動などによる疲れが影響しているようです。ツアー2日目以降は、平均値と最大値が減少しており、リラックスして行く様子が伺えます。ツアー後も、平均値、最大値が低めとなっており、ワーケーション効果が継続している様子です。
平均ストレス値の改善状況を比較
◆県北と県央では、100%の改善となっており、高いワーケーション効果を発揮しています。
◆県南では約70%、県西では約80%が改善となっています。
◆全体として、非常に高い割合でストレス値を改善しており、ワーケーションによる効果がみられます。
「ひなたワーク」終了後も継続するストレス減少効果 いずれの地区でも4日間、宮崎県内にワーケーションで滞在いただく中で約85%の参加者のストレス値が改善しました。

特にワーケーション実施中・実施後には ストレス最大値(高ストレス値)が実施前よりも減少し、ストレスが少ない環境で健康的にワークいただけたことが分析できます。

また実施後にストレス平均値が減少している参加者が多く、宮崎でのワーケーションを通じて継続した効果が表れています。

ワーケーション実施後に、都市部での日常のワーク環境に戻ればストレス平均値が増加する(元に戻ってしまう)参加者も多いと聞きますが、
「ひなたワーク」においては継続してストレス値が減少する効果を可視化することができました。
宮崎で実施する「ひなたワーク」の効能とは… 今回のトライアルツアーにおいて、ワーケーションに来て日常のワーク環境に戻られた後も一定程度 ストレス値が減少する効果を確認できました。

ワーケーションの造語のもとになった「vacation」の語源「vacant」には、ご存じのとおり「空っぽ」という意味があります。

宮崎でワークしながら一時的に「自分の頭や心を空っぽ」にすることで、従業員の皆様のインスピレーションを活性化できるのではないでしょうか。
「ひなたワーク」が、皆様の企業・組織にイノベーションを起こす一助になれば幸いです。